施設向け見守りシステムの運用方法

目次

「見守りシステムを導入したものの、どのように運用すれば良いのか分からない」「現場の職員に定着せず、宝の持ち腐れになっている」といったお悩みはありませんか。

見守りシステムは、ただ設置するだけではその真価を発揮しません。システムの機能を最大限に引き出し、利用者の安全と職員の負担軽減を実現するためには、施設全体で取り組む「運用」が鍵となります。

この記事では、見守りシステムの導入効果を高めるための具体的な運用方法について、体制構築から日々の業務手順、改善活動までを詳しく解説します。

運用の基本方針

効果的な運用を始めるにあたり、まずは施設としての基本方針を固めることが重要です。方針が明確であれば、職員一人ひとりの行動に一貫性が生まれます。

明確な目的を設定

「なぜこのシステムを導入したのか」という原点に立ち返り、運用の目的を再確認しましょう。「転倒事故を〇%削減する」「夜間巡視の心理的負担を軽減する」など、具体的な目標を設定することで、日々の業務の中で何を重視すべきかが明確になります。

全職員での共通理解

見守りシステムは、一部の職員だけが使うものではありません。正職員からパート職員まで、関わるすべてのスタッフがシステムの目的やメリットを理解することが不可欠です。「システムは私たちを助けてくれるツールである」という共通認識を持つことで、積極的な活用に繋がります。

運用体制の構築

誰が何をするのか、問題が起きたときにどう動くのか。スムーズな運用のために、しっかりとした体制を構築しましょう。

役割分担

責任の所在を明確にするため、役割分担を決めます。例えば、「システム管理者(設定変更や業者との連絡役)」「フロアリーダー(日々の運用チェック役)」「一般職員(アラート対応と記録役)」のように、それぞれの役割と責任を定義しておくと、運用が円滑に進みます。

トラブル対応のフロー

「センサーが反応しない」「アラートが鳴りやまない」といったトラブルは起こりうるものです。問題が発生した際に誰が最初に状況を確認し、誰に報告・相談するのか。事前に対応フローを決め、マニュアル化しておくことで、いざという時に慌てず冷静に対処できます。

システム運用の手順

日々の業務にシステムを組み込み、当たり前に活用できる状態を目指します。

日常運用

シフト開始時にシステムの正常作動を確認する、アラート発生時には迅速に駆けつけ状況を記録する、といった日々のルーティン業務を定めます。これを習慣化することで、運用の定着を図ります。

緊急時の対応

転倒や体調の急変など、重大な事態を示すアラートが発生した場合の対応手順は、特に重要です。応援要請の方法や救急連絡の基準など、人命に関わる対応手順は明確に定め、定期的な訓練を行いましょう。

データ活用

見守りシステムが蓄積するデータは、ケアの質を向上させるための貴重な情報源です。例えば、「特定の時間帯に頻繁に離床する利用者の生活リズムの把握」や「体調変化の予兆の早期発見」など、データを分析し、個別ケア計画に活かす視点を持ちましょう。

維持管理と改善

システムの性能を維持し、より良い運用を目指すための継続的な活動です。

定期メンテナンス

センサーの清掃や機器の動作確認など、メーカーが推奨する定期メンテナンスは必ず実施しましょう。システムの正確性を保つことが、信頼性の高い運用に繋がります。

職員のスキル向上

導入時の研修だけでなく、定期的に勉強会を開催し、職員全体のスキルアップを図ります。新しい機能の共有や、ヒヤリハット事例の分析など、職員が学び続ける機会を作ることが大切です。

フィードバックの収集

実際にシステムを使用する現場の職員から、積極的に意見を収集しましょう。「この機能は使いにくい」「こんな機能があればもっと便利」といった生の声を集め、メーカーに伝えたり、運用方法を見直したりすることで、システムがより現場に合ったものになります。

効果測定と運用改善

「導入して良かった」と実感するために、客観的な視点で効果を評価し、改善を続けます。

効果測定

導入前に設定した目標(転倒事故の削減率など)が達成できているか、定期的に効果を測定します。事故報告書の件数や職員へのアンケートなど、定量的・定性的な両面から評価することが重要です。

運用改善

効果測定の結果や、収集したフィードバックをもとに、運用ルールや体制を見直します。「計画→実行→評価→改善」のサイクルを回し続けることで、運用の質は着実に向上していきます。

まとめ

施設向け見守りシステムの導入は、ゴールではなくスタートです。その効果を最大限に引き出すためには、施設全体で運用に取り組む姿勢が欠かせません。

明確な方針のもとで体制を整え、日々の手順を確立し、そして継続的に改善を重ねていく。この地道な取り組みこそが、利用者の安全と職員が働きやすい環境を実現するための確実な道筋です。

見守りシステムは導入すればどれも同じ効果が得られるわけではなく、施設の環境や入居者の状態、運用方針によって、選ぶべきシステムも変わります。そこで本サイトでは、それぞれの現場にフィットする見守りシステムを厳選し、おすすめのポイントとともに紹介しています。併せて参考にしてください。

【導入施設別】
施設向け見守りシステム
のおすすめ3選をみる

導入施設別
施設向け見守りシステムのおすすめ3選

入居者が寝たきりの方か、比較的元気な方かによって、必要な見守りシステムの機能は異なります。そのため、施設が受け入れている入居者に応じたシステムを選ぶことが大切です。ここでは、施設の種類ごとにおすすめの施設向け見守りシステムをご紹介します。

寝たきりの方が過ごす
慢性期病院・特養向け
   
エクセルエンジニアリングの
見守りシステム
(エクセルエンジニアリング)
エクセルエンジニアリング公式HP
引用元:エクセルエンジニアリング公式HP
(https://www.excel-jpn.com/system/)
  • ベッド上のセンサーマットによる高精度なバイタルデータで、異常を早期に検知(※)し、突然の体調不良などによる事故を未然に防げる
  • 240個の体圧センサーが体圧分布を計測し、体位変換のタイミングを通知。不要な訪室を減らし、介護者の負担を軽減させる
通知方法 PC・スマートフォン・タブレット
センサーの
設置方法
センサーマットをベッド上に敷く
   
認知症高齢者が過ごす
グループホーム向け
Neos+Care(ネオスケア)
(ノーリツプレシジョン)
Neos+Care公式HP
引用元:Neos+Care公式HP
(https://neoscare.noritsu-precision.com/)
       
  • 居室内の行動を広く検知し、ベッド外での転倒やうずくまり等を通知。入居者の危険な行動を早期に検知・対策できる
  • シルエット動画によって、適切な訪室判断と入居者の尊厳遵守を両立させ、入居者家族の安心感を得られる
通知方法 スマートフォン・タブレット
センサーの
設置方法
居室内のベッドが見通せる壁または天井に専用アタッチメントで取り付け
自立した高齢者が過ごす
サ高住向け
いまイルモ
(ソルクシーズ)
いまイルモ公式HP
引用元:いまイルモ公式HP
(https://www.imairumo.com/)
  • 起床・就寝・トイレ回数など全居室の状況がPCで一覧表示され、スタッフが不在の夜間でも安否確認がしやすい
  • カメラを使わず、動き・温湿度・照度の異常を検知する複合センサーのため、入居者に監視感を与えない
通知方法 PC・スマートフォン
センサーの
設置方法
両面テープやネジで取り付け

※参考用に心拍及び呼吸状況の表示が可能ですが、心拍計、呼吸計の代用はできません。

導入施設で選ぶ 施設向け見守りシステム3選