大規模な介護施設では、入居者数が多く、フロアやユニットも広範囲にわたるため、スタッフがすべての利用者を目で見守ることは難しくなります。そのため、見守りシステムは職員の負担を軽減しつつ、入居者の安全と安心を確保するために欠かせない存在です。ここでは、大規模施設での導入ポイントと実際の事例をご紹介します。
大規模施設では、数十名から百名を超える入居者を複数フロア・ユニットでケアするため、全体を効率的にカバーできるシステムが求められます。特に重要なのは、複数フロアや多数の居室を一元的に管理できる機能であり、ナースステーションやモバイル端末から施設全体の状況をリアルタイムに把握できる仕組みが必要です。
また、業務効率化と人員配置の最適化を支援する機能も欠かせません。定時巡視の削減や、必要な居室へのピンポイント対応を可能にするアラート通知は、職員の身体的・心理的負担を大幅に軽減します。結果として、夜勤体制の見直しや残業時間の削減といった経営面のメリットにもつながります。
さらに、蓄積データを活用したケア改善も大規模施設における導入メリットの一つです。睡眠状態や生活リズム、トイレ利用の傾向といった情報をエビデンスとして活用することで、個別ケアの精度が高まり、職員間の情報共有やケアカンファレンスの質向上にも寄与します。
最後に、多職種連携を支える情報共有機能も大規模施設では特に重視されます。介護スタッフだけでなく、看護師やケアマネジャーともデータを共有できるシステムであれば、チーム全体で一貫したケア方針を立てやすくなり、利用者の安心と施設運営の安定につながります。
120室を有する大規模特別養護老人ホーム「ひまわり・安城」では、従業員の職場環境を整備するために革新的な技術を取り入れる方針を掲げ、開設時からHitomeQケアサポートを導入しました。数あるシステムを比較検討した中で、IoT情報の集積やAIによる判断といった先進性に着目し、将来性も見据えて選定されています。
導入後は、起床・離床の通知に基づき映像で状況を確認できるため、訪室すべきか見守りでよいかを判断可能に。不要な訪室を減らし、業務の効率化を図ることができました。その分を利用者へのサービス向上に還元できた点も大きな成果です。
さらに、転倒前後のエビデンス動画を活用することで、看護師への報告が推測ではなく事実に基づくものとなり、コミュニケーションが円滑化。動画をもとにした勉強会や事例共有も実施され、従業員間で具体的かつ効果的な対策検討が可能になっています。
新築移転を機に業務効率化と人材不足対策を目的として導入されたのが「LIFELENS」です。体動センサーと映像センサーを活用し、ナースコールとも連携することで、効率的な運営とケア品質向上を図っています。
導入後は、アラートと映像確認による訪室判断が可能になり、不要な巡視を減らすことで職員の負担を軽減。転倒時には映像をもとに状況を具体的に振り返り、ご家族への説明や再発防止策の検討にも活用されています。
また、多職種間での対話やご本人への意思確認を重視する運用により、利用者の権利を尊重したケアが浸透。さらに、生活リズムレポートを用いた排せつや睡眠傾向の把握によって、声掛けやトイレ誘導を効率化し、看護師との連携強化にもつながっています。
生寿園では、81床の特養と9床のショートステイを含む全90床に「眠りSCAN」を導入。東京都のICT補助事業を活用しつつ、導入後に活用を定着させるため「PB-Method」のサポートを受けました。段階的な支援により、スタッフ全体が安心して運用できる体制を築いています。
導入効果として、夜間巡視が1時間ごとから2時間ごとに削減され、職員の負担が大幅に軽減。リアルタイムモニターや通知設定を活用することで、不要な訪室を減らし、利用者の安眠を妨げないケアが実現しました。さらに、睡眠日誌を通じて昼夜逆転などの生活リズム改善にもつながっています。
加えて、救急搬送の判断や家族への説明にデータを活用する事例もあり、スタッフの直感を裏付けるエビデンスとして信頼性を高めています。データがスタッフ間の共通言語となり、チーム連携や人材採用の強化にも寄与。「眠りCONNECT」は今や現場に欠かせない存在となっています。
大規模施設における見守りシステム導入は、入居者の安全確保とスタッフの負担軽減、さらに施設運営の効率化に大きく貢献します。導入する際には、施設規模や構造に対応できるシステムかどうか、またデータを活かしたケア改善が可能かどうかを見極めることが重要です。
見守りシステムは導入すればどれも同じ効果が得られるわけではなく、施設の環境や入居者の状態、運用方針によって、選ぶべきシステムも変わります。そこで本サイトでは、それぞれの現場にフィットする見守りシステムを厳選し、おすすめのポイントとともに紹介しています。併せて参考にしてください。
入居者が寝たきりの方か、比較的元気な方かによって、必要な見守りシステムの機能は異なります。そのため、施設が受け入れている入居者に応じたシステムを選ぶことが大切です。ここでは、施設の種類ごとにおすすめの施設向け見守りシステムをご紹介します。

| 通知方法 | PC・スマートフォン・タブレット |
|---|---|
| センサーの 設置方法 |
センサーマットをベッド上に敷く |

| 通知方法 | スマートフォン・タブレット |
|---|---|
| センサーの 設置方法 |
居室内のベッドが見通せる壁または天井に専用アタッチメントで取り付け |

| 通知方法 | PC・スマートフォン |
|---|---|
| センサーの 設置方法 |
両面テープやネジで取り付け |
※参考用に心拍及び呼吸状況の表示が可能ですが、心拍計、呼吸計の代用はできません。