施設向け見守りシステムの専門知識について

目次

施設向けの見守りシステムについて「専門知識がないと導入・運用できない」というイメージは誤解です。現在はわかりやすい画面や設定の代行、研修や相談の窓口が整っていることから、専門知識がなかったとしても導入や運用を行っていくことが可能です。

施設向け見守りシステムの「専門知識が必要」という誤解の整理

見守りシステムの設定は難しいという誤解

施設向けの見守りシステムの設定は難しく、専門知識が必要であるというイメージを持っている人もいます。この点については、初期設定は業者に代行を依頼することができるほか、「ひな形」の設定で対応が可能です。現場では、最小限の手順のみ覚えれば良いという形になっています。

見守りシステムのトラブル対応が不安という誤解

システム導入にあたっては、「もしトラブルがあったらどうしたら良いかわからない」と不安に感じている人もいるかもしれません。この点については、トラブルがもし発生した場合にまず確認する順番と相談窓口(受付時間や対応基準)をしっかりと示しておき、現場は連絡と記録に集中できる体制としておくことが大切です。

見守りシステムの操作が複雑という誤解

システムの操作が複雑なのではないか、という誤解を持っている人もいます。この場合には、「押すだけの操作」で良いようにする、通知の「ひな形」を設定しておくことで担当者の負担を軽くするという方法が考えられます。

見守りシステムの研修が大変という誤解

システム導入にあたり、研修が大変なのではないかというイメージに対しては、初回の対面研修を行う点に加えて、短い動画を用意しておき操作方法などを確認できるようにするのがおすすめです。さらに、交代勤務向けの小さな研修を行うことにより、システム操作を定着させられます。

施設向け見守りシステムが専門知識必須に見える理由

画面や用語がわかりづらい

画面や用語がわかりにくい場合、専門知識が必要なのではというイメージにつながってしまいます。その場合、難しく感じる用語は用語集の作成と画面に注釈を表示してサポートを行うことで、現場はシステムの操作順だけ覚えれば良い、という体制を作っておくと良いでしょう。

通信や配線の条件が不安

通信や配線に関する条件に不安を感じる人もいます。この部分については、必要な通信量と有線・無線の可否についてひな形で示しておくとわかりやすくなります。また、既存の配線を活かし、事前に通信テストを実施することでスタッフの不安を減らせます。

安全とプライバシーの心配

見守りシステムを使用するにあたり、安全とプライバシーについて不安を持つ人もいるでしょう。この点は、見られる人の範囲やぼかし機能、操作履歴の記録について標準で設定しておきます。この設定により、現場は手順通りに操作するだけで運用が可能となります。

他システムとの連動が難しい

施設で使用しているほかのシステムとの連動が難しいのでは、と考える人もいるでしょう。この場合、ナースコールなどは対応表を事前に作成しておくことがおすすめです。現場は通知先とルールを理解しておくだけで良い体制を作ることで、不安なく対応ができるようになります。

相談・支援の窓口が見えにくい

どこに相談をしたら良いのか、という疑問に対しては、問い合わせ先や受付時間、代替運用(一次対応)について明文化しておくことで、相談をしたいときに迷わずに済むようになります。

施設向け見守りシステムを専門知識なしで運用する考え方

画面と運用をシンプルにする

まず、画面と運用をシンプルにすることが大切です。具体的には、役割ごとに権限を分けて画面の簡素化を図ります。また、通知のしきい値は候補の中から選ぶだけという設定にしておき、手順はチェックリストにしておくことで、シンプルな運用が実現できます。

研修・マニュアル・相談の仕組み

初回の研修は対面で行い、その後の対応は短い動画の活用と「よくある質問」で復習ができるようにしておきます。また、問い合わせについては番号をつけて追跡しておきます。また、対応に関する決まり事を運用に組み込んでいくこともポイントです。

見られる範囲・記録・プライバシー

閲覧が可能な人の範囲とぼかし基準について示しておきます。また、操作の履歴は自動記録が行えるように設定をしておき、「決まりを守りながら操作をすれば安心」という状態を作っておきましょう。

もしもの時の対応

トラブルの発生など「もしもの時」の対応についても、落ち着いて対応ができるように確認する順番(電源→配線→通信)を整理しておきます。またシステムの復旧までは巡視頻度を増やすなど、代わりの運用も合わせて1枚の手順にまとめておくことで、焦らず対応ができるようになります。

施設向け見守りシステムを専門知識なしで導入する解決方法

小さく始めて広げる(段階導入)

システムの導入を行う際には、まず「小さく初めて広げていく」という段階導入がおすすめです。具体的には、はじめに優先エリアに導入して試し、運用しながら要件を固めて段階的に拡大していく、といった流れになります。通知件数や対応時間、誤検知の割合といった判断の目安を決めておき、合否を決めます。

設定と連動の標準化

画質や通知、保存しておく日数、見られる人の範囲は、あらかじめひな形にしておきます。さらに、ナースコールなどの連動については、対応表を作成するとともに役割分担を明記しておくとわかりやすくなります。

体制づくりと資料整備

システムの導入を行う場合には、体制づくりと資料の準備も大切です。管理者や現場リーダー業者の役割を明らかにしておくとともに、問い合わせ窓口や研修計画、運用手順書といった資料を揃えておきましょう。

施設向け見守りシステムの専門知識についてのまとめ

施設向けの見守りシステムは専門知識がないと導入ができない、というイメージは誤解です。わかりやすい画面や設定のひな形、研修と相談の仕組みを作っておくとともに段階的に導入していくことで現場での運用が可能となります。可能な限り現場のスタッフが覚えなければいけない量を小さくし、トラブル発生時など困った時の手順をあらかじめ用意しておくといったように、導入にあたっての不安を解消することが大切です。

見守りシステムは導入すればどれも同じ効果が得られるわけではなく、施設の環境や入居者の状態、運用方針によって、選ぶべきシステムも変わります。そこで本サイトでは、それぞれの現場にフィットする見守りシステムを厳選し、おすすめのポイントとともに紹介しています。併せて参考にしてください。

【導入施設別】
施設向け見守りシステム
のおすすめ3選をみる

導入施設別
施設向け見守りシステムのおすすめ3選

入居者が寝たきりの方か、比較的元気な方かによって、必要な見守りシステムの機能は異なります。そのため、施設が受け入れている入居者に応じたシステムを選ぶことが大切です。ここでは、施設の種類ごとにおすすめの施設向け見守りシステムをご紹介します。

寝たきりの方が過ごす
慢性期病院・特養向け
   
エクセルエンジニアリングの
見守りシステム
(エクセルエンジニアリング)
エクセルエンジニアリング公式HP
引用元:エクセルエンジニアリング公式HP
(https://www.excel-jpn.com/system/)
  • ベッド上のセンサーマットによる高精度なバイタルデータで、異常を早期に検知(※)し、突然の体調不良などによる事故を未然に防げる
  • 240個の体圧センサーが体圧分布を計測し、体位変換のタイミングを通知。不要な訪室を減らし、介護者の負担を軽減させる
通知方法 PC・スマートフォン・タブレット
センサーの
設置方法
センサーマットをベッド上に敷く
   
認知症高齢者が過ごす
グループホーム向け
Neos+Care(ネオスケア)
(ノーリツプレシジョン)
Neos+Care公式HP
引用元:Neos+Care公式HP
(https://neoscare.noritsu-precision.com/)
       
  • 居室内の行動を広く検知し、ベッド外での転倒やうずくまり等を通知。入居者の危険な行動を早期に検知・対策できる
  • シルエット動画によって、適切な訪室判断と入居者の尊厳遵守を両立させ、入居者家族の安心感を得られる
通知方法 スマートフォン・タブレット
センサーの
設置方法
居室内のベッドが見通せる壁または天井に専用アタッチメントで取り付け
自立した高齢者が過ごす
サ高住向け
いまイルモ
(ソルクシーズ)
いまイルモ公式HP
引用元:いまイルモ公式HP
(https://www.imairumo.com/)
  • 起床・就寝・トイレ回数など全居室の状況がPCで一覧表示され、スタッフが不在の夜間でも安否確認がしやすい
  • カメラを使わず、動き・温湿度・照度の異常を検知する複合センサーのため、入居者に監視感を与えない
通知方法 PC・スマートフォン
センサーの
設置方法
両面テープやネジで取り付け

※参考用に心拍及び呼吸状況の表示が可能ですが、心拍計、呼吸計の代用はできません。

導入施設で選ぶ 施設向け見守りシステム3選