見守りセンサーの種類は大きく分けて、マットセンサー、シートセンサー、超音波・赤外線センサー、センサーベッドの4種類。
加えて、ナースコールに連動させて使う商品と、ナースコールがなくても使える商品でタイプが異なります。
見守りセンサーを導入する際は、検討している施設の状況に合った商品を選ぶ事が重要です。
まずは検討しているセンサーを選んでいただき、センサーごとの特徴やメリット、デメリットを確認。それぞれおすすめの商品についても紹介いたします。
離床センサーとは、病院や介護施設などで、ベッドからの転落や転倒、徘徊を未然に防ぐために設置する見守り機器です。
見守りセンサーにはさまざまな種類の製品が登場しており、ベッド下やベッドの端などに設置するマットセンサーをはじめ、ベッドのシーツ下などに設置するシートセンサー、赤外線・超音波センサー、介護センサー内蔵ベッドなどがあります。
どれがより優れている…というものではなく、施設の設備・環境や入所者のタイプによって、設置に適した見守りセンサーが異なります。
どの見守りセンサーが施設に適しているのかを知るためにも、まずは各機器の特徴について把握しましょう。
マットをベッド下やベッドの端などに設置し、対象者がマットに乗ることで荷重を検知し、専用の受信機やナースコールに通知します。ベッドから降りた、もしくは降りようとしたことを検知できるので、介助者がすぐに駆けつけられ、転倒事故などを防ぎます。
また、マットを部屋の入口やトイレのドア前などに設置することで、無断の外出やトイレのタイミングを知ることができます。夜間徘徊を予防し、必要なトイレ介助に付くことが可能になります。
マットセンサー(離床センサー)のメリットやデメリットについてもまとめています。
ベッドのシーツ下などにマットを設置し、対象者が起き上がる、離床するなど、マットへの荷重がなくなった場合に検知して知らせます。
また対象者の心拍や呼吸数、体重、睡眠状態なども計測できるタイプもあります。バイタルサインの計測によって、生活リズムを知ることができます。
マットセンサーの利用で夜間の巡回を減らし、対象者の睡眠を妨げないことにも役立ちます。
シートセンサー(離床センサー)のメリットやデメリットについてもまとめています。
赤外線や超音波によって、対象者の動きを検知して知らせます。ベッドからの起き上がり、離床、端座など、対象者の状態によって、センサーの角度や照射範囲を変えられます。
部屋やトイレのドア、エレベーター前などにも設置可能。部屋やトイレへの出入り、棟外へ外出してしまうことを検知できます。
非接触で対象者に知られず設置しやすいので、マットに違和感を覚えたり、踏み越えたりして検知できない可能性を減らします。
赤外線・超音波センサーのメリットやデメリットについてもまとめています。
ベッドに見守りセンサーが内蔵されたタイプです。対象者のベッド上での動きや心拍、呼吸数、体重などのバイタルサインまで検出。対象者の動きやバイタルサインがなくなると、ベッドに不在として通知します。
離床だけでなく、バイタルサインがチェックできるため、体調の変化や夜間の急変にも早く気付くことができます。睡眠状態を把握できるタイプもあります。
センサーベッドのメリットやデメリットについてもまとめています。
タッチセンサーは、ベッドの手すりや柵に設置するタイプの離床センサーです。対象者がベッド柵や介助バーに触れる(もしくは握る)と通知がいく仕組みになっています。手すりや柵を使えば自力で起き上がり動作を行えるものの、立位や歩行が不安定で介助が必要な方に最適なセンサーです。また、認知症やせん妄症状などで、柵や手すりを乗り越えて転落する恐れがある対象者にも適しています。
クリップセンサーは、対象者の衣服に紐がつながったクリップを取り付けるタイプの離床センサーです。クリップが外れると通知がいく仕組みになっており、徘徊や転倒などを未然に防ぐのに役立ちます。離床センサーのなかでも比較的安価のため、導入しやすいのが魅力。ただ、衣服に取り付けるタイプなので、クリップを外したり、紐を自分で引っ張ったりしてしまう対象者には向きません。また、寝返りや無意識のうちに紐を引っ張ってしまい、誤作動が起きる場合もあります。
ほかに、プライバシーを守りながら目視できるシルエットセンサーや、トイレのみ介助が必要な場合のトイレ用センサーなども。
対象者や介助者の状態に応じて使い分けたり、組み合わせたりすることで、より快適で的確な見守りセンサーとなるでしょう。
見守りセンサーは、介護スタッフの負担軽減や入所者の転倒・徘徊を防止するのに役立つシステムです。
ここでは、見守りセンサーの導入を検討している介護施設の方に向けて、見守りセンサーとはどういったものなのかをはじめ、導入するメリットや選び方を紹介します。
見守りセンサーとは、病院や介護施設などで入所者の使うベッドや居室空間などにセンサーを設置し、離れたところにいるスタッフに入所者の情報を伝えるシステムのことです。
入所者をつきっきりで見守らなくても体調の急変や転倒などの異常があればセンサーが知らせてくれるため、人手不足に悩む医療・介護業界においてはメリットの大きいシステムと言えるでしょう。
また、監視カメラと連携している見守りセンサーも登場しており、入所者の家族にとっても施設に安心して預けられる環境が整ってきています。
介護業界は慢性的な人手不足が課題となっており、さらに介護ケアや見守りのほかにも大量の書類を作成したり、地域包括支援センターや医療機関と連携したりなど、膨大な仕事をこなさなければいけません。
24時間体制の見守りセンサーを導入することで、夜間の巡回を減らしたり、介護記録のデータ化による業務の効率化を叶えられたり、とスタッフの業務負担の軽減につながる効果を期待できます。
離床センサーにはさまざまな種類があり、入所者の生活にストレスを与えずに見守れる製品が展開されています。見守りセンサーを設置することで入所者の起き上がりを予測したり、ベッドから離れたらすぐに感知したりすることができ、入所者の動きに合わせて適切な補助を行なうことが可能に。
何度も巡回をして入所者の生活や眠りを妨げる心配がないため、入所者と適切な距離を保ちながら快適な生活を送るサポートができます。
介護スタッフによる入所者への虐待が問題になった事例があることから、介護施設に預けても大丈夫なのか不安を感じている家族も少なくありません。
けれど、家族が自宅で介護するとなると体力的・精神的に大きな負担となるため、不安を感じながらも介護施設への入居を検討せざるを得ないのが現状です。
離床センサーを導入することで、大切な家族が施設で快適な生活を送れているのか、十分なケアを受けているのかを確認でき、安心して預けられる環境づくりに取り組めます。
見守りセンサーの導入を検討しているものの、どのように選べばいいのか分からない介護施設の方も多いでしょう。施設に適した見守りセンサーを選ぶ際のポイントについて紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
見守りセンサーを選ぶ際は、まず最初に見守りセンサーの種類やそれぞれの特徴を把握しておく必要があります。そのうえで、利用者の状態や導入目的に適した商品を選ぶことが大切です。利用者の状態に合った見守りセンサーを選ぶには、「安静度」「身体機能」「認知機能」の3つのキーワードを軸に考えると良いでしょう。
安静度については、利用者がどのぐらい動いても良い病態なのかがポイント。たとえば絶対安静が必要な利用者の場合、少しの動きに対しても敏感に検知する必要があるので、起き上がりを未然の防ぐのに有効なピローセンサーや超音波・赤外線センサーが適しています。
安静度に制限のない利用者であれば、身体機能や認知機能に適した見守りセンサーを検討しましょう。利用者の動作観察や行動パターンの把握を行い、予測できる事故を未然に防ぐのに適した見守りセンサーを選ぶことが重要です。
見守りセンサーの通知方法には、「ナースコールで受信するタイプ」と「専用受信機で受信するタイプ」があります。専用受信機で受信するタイプの商品なら、ナースコール設備のない施設でも簡単に導入が可能。専用受信機には、持ち歩きに便利な携帯型、詰所などに設置する据え置き型などがあり、現場のスタッフの業務内容や体制に合わせて選ぶことができます。
ナースコールで受信するタイプを導入する場合は、普段使用しているナースコールに対応しているかを確認しましょう。
通信の方式は無線LANが主流になっていますが、無線の電波が届きにくいというトラブルも確認されています。そのため、無線LAN方式の見守りセンサーの場合は、デモ機で最大通信距離が十分にあるのかを確認してから導入を検討するのがおすすめです。
ベッドセンサーやマットセンサータイプの多くは、ケーブル式とコードレス式を選択できます。ベッド周囲はケーブル類が多くなりがちなため、コードレス式タイプを選ぶことでベッド周囲の環境を改善することが可能。また、ケーブルに引っかかって利用者が転倒する事故を防止できるメリットもあります。
一方で、コードレス式の見守りセンサーは、ケーブル式と比較して初期費用が高くつきやすいのがデメリットです。利用者の安全や予算などを考慮しながら、ケーブル式とコードレス式のどちらの見守りセンサーを導入するのか検討する必要があります。
同じ種類の見守りセンサーでも、メーカーによって導入費用が異なります。そのため、各メーカーの商品の価格を比較したうえで検討するのがおすすめです。比較検討する際は、見守りセンサーの種類と台数を明確にしておくと、予算に応じた商品選びがしやすくなります。
ただし、安さだけに注目して選んでしまうと、壊れやすかったり頻繁に交換する必要があったり、と余計なコストや手間がかかる可能性があるので注意しましょう。見守りセンサーを導入するにあたって補助金を受け取れる可能性があるため、各都道府県や自治体にご相談ください。
見守りセンサーや離床センサーと一口にいっても、その種類やメーカーによって導入コストはさまざまです。また、ベッドセンサーのようにセンサーとベッドや寝具が一体になって販売されているものであれば、単体購入にするのかセット購入にするのかによっても賞金相場はいろいろと変わってくるでしょう。加えて、離床センサーが有線モデルかコードレス対応かといった仕様の違いでも金額は変動します。
加えて、メーカーによって複数のオプションが用意されていることもあり、価格を検討する際は必ずトータルコストをチェックするようにしてください。
本体価格が安くても壊れやすければ、結果的にメンテナンスコストや再購入のコストがかかってしまうため、保証期間なども合わせて検討することが大切です。
介護施設や介護事業者・福祉事業者などでは慢性的な人材不足が経営課題となっており、事業所や企業単位でなく国全体で解決や改善に向けた取り組みが進められています。
見守りセンサーや離床センサーの導入経費に対する補助金や助成金といった制度は、企業のコスト負担を国や地方自治体が補助しつつ人材獲得や業務の省力化・省人化をサポートするために実施されており、さまざまな種類が用意されている点が重要です。
たとえば「介護ロボット・ICT導入支援事業」やそれに類する事業が都道府県ごとに設けられており、介護ロボットの導入や見守りセンサーの導入にかかるコストの一部を支援してもらうことができます。
ただし、補助金や助成金は自治体ごとの予算によって運営されているケースも多く、その地域の予算や財政的余裕がなくなれば年度の途中でも募集が打ち切られてしまうため、早めの利用検討を心がけてください。
見守りセンサー(離床センサー)は医療や介護の現場で患者や入居者の安心安全をサポートし、従業員の業務負担軽減に寄与する設備機器ですが、利用の方法を誤ることで余計にリスクやデメリットを増大させる危険もあります。
まず、センサーのスイッチを入れ忘れないよう業務フローをしっかりと確認して、従業員全体で意識共有しておくことが欠かせません。見守りセンサーの電源を入れ忘れれば当然ながらセンサーは感応せず、さらにスタッフはセンサーがあるからと油断しやすくなり、結果的に患者や介護者のリスクが増大してしまいます。
一方、介助作業をする際にきちんとスイッチを切っておかなければ、センサーが何度も反応して誤報を通知したり故障リスクを高めたりするでしょう。
その他、定期的な点検やメンテナンスにより、常に正常稼働していることをチェックする体制も必要です。
厚生労働省は、2020年に「介護ロボット導入効果検証委員会」を設置。委員会で実施された介護ロボットの導入効果に関する調査結果をもとに、離床センサーの導入効果について紹介します。
参照元:厚生労働省【PDF】
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000788328.pdf
夜間見守り調査では、離床センサーを含む見守り機器の導入によって夜勤職員の直接介護および巡視・移動時間が減少するのかといった検証が行われました。
検証には見守り機器を導入済み、または未導入の施設がそれぞれ参加し、「新規導入」「追加導入」「全床導入」の3パターンで検証を実施。見守り機器を新規導入または追加した場合の調査によると、直接介護および巡視・移動に使った合計時間が事前調査では平均277分だったのに対し、事後調査では平均261分と、見守り機器の導入によって合計時間が平均16分短縮しています。
また、全床導入したケースでは、職員1人で対応できる利用者の数が平均で35.2%増加する結果となりました。これらの調査結果から、見守り結果の導入には一定の業務効率の改善効果があることが分かります。
一方で、新規導入の施設や介護ロボットの導入率が低い施設においては、時間短縮の効果がそれほど高くないことも明らかに。この結果は、見守り機器の導入で一定の効果を得るには、機器の操作などに慣れる必要性を示しています。
職員を対象に、見守り機器の導入による心理的負担やモチベーション等の変化についてのアンケート調査を実施。心理的負担については心理ストレス反応測定尺度を用いて評価を行ったところ、ストレス反応が「弱い(7点以下)」と回答した職員の割合は事前調査では34.0%、事後調査は44.1%と増加する結果に。「普通」「やや強い」と回答した職員の割合は事後調査で減少しています。
見守り機器の利用によるモチベーションの変化については、「仕事のやりがいの変化」「職場の活気の変化」の2項目でアンケート調査が行われました。その結果、どちらの項目でも「増加したと感じる」と回答した職員の割合が50%程度を占める結果となっています。
また、見守り機器の利用による職員・施設業務の変化についてのアンケート調査では、「訪室しなくても利用者の状況が分かる(即効性)」「利用者の行動パターンが把握できる(排せつ・夜間活動)」「事故原因分析の参考情報にできる」などの効果を実感している職員が多い結果に。このことから、見守り機器の導入によって、業務にあたるうえでの精神的な余裕や負担軽減を生み出していることが分かります。
ケアの質に関する変化についての主な意見としては、以下のような声があがっています。
【新規導入の施設】
・気になる利用者の様子を端末で確認できることでケアの質が向上した
・転倒の発生件数の減少でケアの質が向上したと考えられる
【追加導入の施設】
・利用者の動きを端末で確認できることで、排せつ状況に対する職員の予測性が向上した
・排せつリズムの把握によって適切なケアができるようになり、排せつの質が大きく向上した
・利用者が起きているタイミングに排せつ介助を行えるようになった
・訪室の回数を減らすことで自立度の高い利用者の生活リズムを守れ、自立支援につながった
・夜間の睡眠状況が芳しくない利用者に対し、日中の活動量の調整によって円滑な入眠のサポートを行なえた
・訪室回数の減少で職員に時間的・精神的余裕が生まれ、ケアの質の向上につながった
・端末で利用者の状況を確認できることで、職員の緊張感が減少し、余裕をもって利用者に接することができるようになった
【全床導入の施設】
・訪室の回数の減少によって、利用者の睡眠の質の確保につながった
参照元:厚生労働省【PDF】
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000788328.pdf
見守りセンサーの種類は大きく分けて、マットセンサー、シートセンサー、超音波・赤外線センサー、センサーベッドの4種類。
加えて、ナースコールに連動させて使う商品と、ナースコールがなくても使える商品でタイプが異なります。
見守りセンサーを導入する際は、検討している施設の状況に合った商品を選ぶ事が重要です。
まずは検討しているセンサーを選んでいただき、センサーごとの特徴やメリット、デメリットを確認。それぞれおすすめの商品についても紹介いたします。
マットセンサーやシートセンサーといった見守りセンサーと同じ受信機で通知を受け取れる簡易ナースコールをご紹介します。
コンセントの配線を使って通信するので簡単に設置でき、壊れたナースコールの代替品にもなる便利なアイテムです。 通常のナースコールのように会話はできませんが、「通知音があれば良い」という施設は必見です!