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見守りセンサー(離床センサー・介護センサー)の種類

見守りシステム(センサー)の種類から探す!!

既存のナースコールに連動させられる見守りセンサー特集の画像

見守りセンサーの種類は大きく分けて、センサーマット、シートセンサー、超音波・赤外線センサー、センサーベッドの4種類。

加えて、ナースコールに連動させて使う商品と、ナースコールがなくても使える商品でタイプが異なります。

見守りセンサーを導入する際は、検討している施設の状況に合った商品を選ぶ事が重要です。

まずは検討しているセンサーを選んでいただき、センサーごとの特徴やメリット、デメリットを確認。それぞれおすすめの商品についても紹介いたします。

離床センサーとは?

離床センサーとは、病院や介護施設などでベッドからの転落や転倒、徘徊を未然に防ぐために設置する見守り機器です。

見守りセンサーにはさまざまな種類の製品が登場しており、ベッド下やベッドの端などに設置するセンサーマットをはじめ、ベッドのシーツ下などに設置するシートセンサー、赤外線・超音波センサー、介護センサー内蔵ベッドなどがあります。

どれがより優れている…というものではなく、施設の設備・環境や入所者のタイプによって、設置に適した見守りセンサーが異なります。

どの見守りセンサーが施設に適しているのかを知るためにも、まずは各機器の特徴について把握しましょう。

離床センサー・見守りセンサーの種類とは

センサーマット(離床センサー)

設置したマットを踏んだら通知する

センサーマットの使用イメージ(イラスト)

マットをベッド下やベッドの端などに設置し、対象者がマットに乗ることで荷重を検知し、専用の受信機やナースコールに通知します。ベッドから降りた、もしくは降りようとしたことを検知できるので、介助者がすぐに駆けつけられ、転倒事故などを防ぎます。

また、マットを部屋の入口やトイレのドア前などに設置することで、無断の外出やトイレのタイミングを知ることができます。夜間徘徊を予防し、必要なトイレ介助に付くことが可能になります。

センサーマット(離床センサー)のメリット

センサーマットは、ベッド以外の場所で動きを検知できるのがメリットです。立ち上がりや歩行の介助が必要な方の動きを察知して駆け付けられるので、転倒リスクを軽減するのに有効。また、認知症の方の夜間徘徊や外出を防ぐ効果もあります。

センサーマット(離床センサー)のデメリット

センサーマットを使用する際は、対象者がマットの段差や電源コードにつまずいて転倒しないように注意が必要です。また、対象者がマットを踏むとセンサーが反応することに気づき、マットをよけたり踏み越えたりしてしまうことも。そうなると対象者の動きを察知できなくなるので、転倒や夜間徘徊につながるリスクがあります。

介護施設・病院におすすめ
センサーマットの
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シートセンサー(離床センサー)

ベッド上での動きをすばやくキャッチ

シートセンサーの使用イメージ(イラスト)

ベッドのシーツ下などにマットを設置し、対象者が起き上がる、離床するなど、マットへの荷重がなくなった場合に検知して知らせます。

また対象者の心拍や呼吸数、体重、睡眠状態なども計測できるタイプもあります。バイタルサインの計測によって、生活リズムを知ることができます。

センサーマットの利用で夜間の巡回を減らし、対象者の睡眠を妨げないことにも役立ちます。

シートセンサー(離床センサー)のメリット

シートセンサーは、センサーマットよりも早い段階で対象者の動きを検知できるのがメリットです。薄型で柔らかい素材の商品なら、対象者の睡眠を妨げずに使用することが可能。直接肌に触れないシーツや敷きパッドの下に設置するものなら、汚れにくいというメリットもあります。

シートセンサー(離床センサー)のデメリット

シートセンサーは寝返りも検知するため、頻繁に通知されるのが難点です。また、対象者がベッドのシーツ下のセンサーに違和感を覚え、嫌がる場合もあります。そのほか、完全防水ではないので、水や尿で濡れると故障の原因になる点にも注意が必要です。

介護施設・病院におすすめ
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赤外線・超音波センサー

非接触でさりげなく設置できる

赤外線・超音波センサーの使用イメージ(イラスト)

赤外線や超音波によって、対象者の動きを検知して知らせます。ベッドからの起き上がり、離床、端座など、対象者の状態によって、センサーの角度や照射範囲を変えられます。

部屋やトイレのドア、エレベーター前などにも設置可能。部屋やトイレへの出入り、棟外へ外出してしまうことを検知できます。

非接触で対象者に知られず設置しやすいので、マットに違和感を覚えたり、踏み越えたりして検知できない可能性を減らします。

赤外線・超音波センサーのメリット

赤外線・超音波センサーは本体がコンパクトなのでベッドの脚などにさりげなく設置でき、対象者に違和感を与えません。センサーマットと違って段差やコードにつまずく心配がないのも、赤外線・超音波センサーのメリットです。また、照射範囲に入れば検知できるため、対象者の動きを適切に検知しやすいという利点もあります。

赤外線・超音波センサーのデメリット

赤外線・超音波センサーは対象者が動くたびに通知されるため、よく動く対象者に使用する場合は対策が必要です。また、赤外線・超音波センサーが検知するのはあくまでも対象者の動きなので、バイタルまでは把握できません。そのため、疾患のある対象者などについては、バイタルを計測できるセンサーとの併用を検討する必要があります。

介護施設・病院におすすめ
赤外線・超音波センサーの
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介護センサー内蔵ベッド

動きもバイタルサインも見守る

センサーベッドの使用イメージ(イラスト)

ベッドに見守りセンサーが内蔵されたタイプです。対象者のベッド上での動きや心拍、呼吸数、体重などのバイタルサインまで検出。対象者の動きやバイタルサインがなくなると、ベッドに不在として通知します。

離床だけでなく、バイタルサインがチェックできるため、体調の変化や夜間の急変にも早く気付くことができます。睡眠状態を把握できるタイプもあります。

介護センサー内蔵ベッドのメリット

ベッドに見守り機能が内蔵されているので対象者に違和感を与えずに使用でき、介助者の計測作業の負担を軽減できるというメリットもあります。また、バイタルの異変も通知してくれるため、対象者の異変を見落とさずに迅速に対応することが可能です。

介護センサー内蔵ベッドのデメリット

対象者の様子を画像で確認できないため、心拍や呼吸に異常が検知されれば訪室して確認する必要があります。また、ほかの見守りセンサーに比べて導入費用が比較的高いので、規模の大きい施設などでは初期費用が高額になる点に注意が必要です。

介護センサー内蔵ベッドの
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タッチセンサー(ベッド柵センサー)

タッチセンサーは、ベッドの手すりや柵に設置するタイプの離床センサーです。対象者がベッド柵や介助バーに触れる(もしくは握る)と通知がいく仕組みになっています。手すりや柵を使えば自力で起き上がり動作を行えるものの、立位や歩行が不安定で介助が必要な方に最適なセンサーです。また、認知症やせん妄症状などで、柵や手すりを乗り越えて転落する恐れがある対象者にも適しています。

クリップセンサー

クリップセンサーは、対象者の衣服に紐がつながったクリップを取り付けるタイプの離床センサーです。クリップが外れると通知がいく仕組みになっており、徘徊や転倒などを未然に防ぐのに役立ちます。離床センサーのなかでも比較的安価のため、導入しやすいのが魅力。ただ、衣服に取り付けるタイプなので、クリップを外したり、紐を自分で引っ張ったりしてしまう対象者には向きません。また、寝返りや無意識のうちに紐を引っ張ってしまい、誤作動が起きる場合もあります。

ピローセンサー

ピローセンサーは枕と同じぐらいの大きさの離床センサーで、枕から頭を上げると通知される仕組みになっています。起き上がる前段階の動作で検知されるので、ベッド上での絶対安静が必要な方に有用。そのほかにも、転倒リスクが高くて動きが活発な方への素早い対応としても適しています。ただ、少しの動作でも検知されるので、動きが活発な方に使用する場合は頻繁に通知されやすい点に注意が必要です。

車イス・トイレコール

車イスやトイレに設置するタイプの離床センサーも存在し、車イスの場合は利用者が車イスから離れると座面のセンサーマットが荷重を検知し、通知するのが特徴。トイレの離床センサーは、利用者が便座から離れると赤外線センサーが反応する仕組みになっています。

バイタルセンサー

ベットマットの下やベット上の天井に設置し、マイクロ波を用いて呼吸数や心拍数、血圧などを検知するセンサーです。非接触で健康状態を確認できるのが特徴。睡眠時間やトイレに行った回数まで記録できるものもあり、対象者の生活リズムを把握できます。

そのほかの見守りシステム

見守りシステムにはセンサータイプ以外もあり、以下のようなものが挙げられます。

カメラ

対象者の居住スペースにカメラを設置し、離れた場所から映像で生活状況を確認できるカメラ型見守りシステム。リアルタイムで視覚的に状況を把握でき、遠隔地にいながら異常時は迅速に対応できるのが特徴です。

GPS

位置情報を取得できるGPSを持ち歩いてもらい、居場所を把握する方法もあります。徘徊が懸念される対象者を見守りたい場合に有効です。対象者が自らGPSを所持する必要があるのがやや懸念点。プライバシーの問題で好まれない傾向があるため、信頼関係や丁寧な説明が重要になります。

ロボット

AI機能が搭載されたロボット機器を使用して、対象者を見守る方法です。ロボット型だと対象者とのコミュニケーションが生まれるのが魅力。導入費用は高めですが、対象者の寂しさや孤独感を解消するツールとしても機能します。

見守りセンサー(離床センサー)の基礎知識

見守りセンサーは、介護スタッフの負担軽減や入所者の転倒・徘徊を防止するのに役立つシステムです。

ここでは、見守りセンサーの導入を検討している介護施設の方に向けて、見守りセンサーとはどういったものなのかをはじめ、導入するメリットや選び方を紹介します。

見守りセンサー・離床センサーの役割と重要性

見守りセンサーとは、病院や介護施設などで入所者の使うベッドや居室空間などにセンサーを設置し、離れたところにいるスタッフに入所者の情報を伝えるシステムのことです。

入所者をつきっきりで見守らなくても体調の急変や転倒などの異常があればセンサーが知らせてくれるため、人手不足に悩む医療・介護業界においてはメリットの大きいシステムと言えるでしょう。

また、監視カメラと連携している見守りセンサーも登場しており、入所者の家族にとっても施設に安心して預けられる環境が整ってきています。

介護施設で見守りセンサーを導入するメリット

介護スタッフの負担軽減

介護業界は慢性的な人手不足が課題となっており、さらに介護ケアや見守りのほかにも大量の書類を作成したり、地域包括支援センターや医療機関と連携したりなど、膨大な仕事をこなさなければいけません。

24時間体制の見守りセンサーを導入することで、夜間の巡回を減らしたり、介護記録のデータ化による業務の効率化を叶えられたり、とスタッフの業務負担の軽減につながる効果を期待できます。

快適な入所生活をサポート

離床センサーにはさまざまな種類があり、入所者の生活にストレスを与えずに見守れる製品が展開されています。見守りセンサーを設置することで入所者の起き上がりを予測したり、ベッドから離れたらすぐに感知したりすることができ、入所者の動きに合わせて適切な補助を行なうことが可能に。

何度も巡回をして入所者の生活や眠りを妨げる心配がないため、入所者と適切な距離を保ちながら快適な生活を送るサポートができます。

入所者の家族が安心できる環境づくりに貢献

介護スタッフによる入所者への虐待が問題になった事例があることから、介護施設に預けても大丈夫なのか不安を感じている家族も少なくありません。

けれど、家族が自宅で介護するとなると体力的・精神的に大きな負担となるため、不安を感じながらも介護施設への入居を検討せざるを得ないのが現状です。

離床センサーを導入することで、大切な家族が施設で快適な生活を送れているのか、十分なケアを受けているのかを確認でき、安心して預けられる環境づくりに取り組めます。

離床センサーを導入するデメリットはある?

誤報によってスタッフの負担が増加する

離床センサーを入居者が頻繁に踏んだり、面会中・介助中にスイッチを切り忘れたりすることで、スタッフが不必要な訪室をしてしまう場合があります。それでは離床センサーを導入してもスタッフの負担軽減にはつながらないため、面会時や介助時は離床センサーの電源をオフにするようにしましょう。

利用者が頻繁に離床センサーを踏んでしまうケースについては、マットの位置が適切かどうかを見直してみるのがおすすめです。予算があるのであれば、見守りカメラなどが搭載された誤報の少ない離床センサーを導入するという方法もあります。

電源の入れ忘れによる事故の発生

離床センサーの誤報を防ごうと介助中に電源をオフにした場合、電源の入れ忘れに注意が必要です。慢性的な人手不足により介護士の現場は時間に追われていることが多いため、電源を入れ忘れてしまうことは十分に考えられます。電源を切ったままだと入居者がベッドから離れたのに気づけず、転倒事故が発生する恐れがあります。

電源の入れ忘れを防ぐには、介護士同士で声をかけあったり電源を切らずにマットの位置をずらして介助を行ったりなどの工夫が必要です。または、一時停止ボタンが搭載された離床センサーの導入を検討するという選択肢もあります。

入居者が段差やコードにつまずいてしまう

離床センサーには数ミリの厚みや電源コードなどがあるため、利用者が段差やコードに足を引っかけてつまずいてしまうリスクがあります。

離床センサーの段差は、滑り止めシートなどで覆って四方をテープで固定することにより、ある程度対策することが可能。また、電源やナースコールにつなげるためのコードはベッドや床頭台の下などになるべく固定しておくと、つまずきのリスクを軽減できます。もしくは無線タイプの離床センサーを導入するのもおすすめです。

入居者にセンサーを避けられてしまう

入居者のなかには離床センサーを踏むとスタッフが来ることを察知し、離床センサーを避けてしまうことがあります。それだと離床センサーを導入した意味がなくなってしまうため、センサー避けのための対策が必要です。

センサー避けの対策としては、「ベッドを壁に寄せたり柵の位置を工夫したりしながら、離床センサーがある場所に降りてもらうように誘導する」「マットの上に履物を置いておく」「普段からできるだけスタッフが訪室するようにして、スタッフの訪室とセンサーマットの関係に気づかせない」などがあげられます。

断線によって故障する可能性がある

有線の離床センサーは入居者やスタッフがコードを踏んだり引っ張ったりしてしまうため、ケーブルの断線によって故障する可能性があります。

コードを踏んでしまわないようにベッドや床頭台の下にコードを通したり、ベッドや車いすで移動する際にコードを引っ張ったりしないように注意しましょう。断線による故障や買い替えが不安な場合は、無線タイプの離床センサーの導入を検討すると良いでしょう。

見守りセンサー(離床センサー)の選び方

見守りセンサーの導入を検討しているものの、どのように選べばいいのか分からない介護施設の方も多いでしょう。施設に適した見守りセンサーを選ぶ際のポイントについて紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

利用者の安静度

まず見守りセンサー選びの基準となるのが「利用者がどのぐらい動いても良い病態なのか」です。たとえば絶対安静が必要な利用者の場合、少しの動きに対しても敏感に検知する必要があるので、起き上がりを未然の防ぐのに有効なピローセンサーや超音波・赤外線センサーが適しています。安静度に制限のない利用者であれば、身体機能や認知機能に適した見守りセンサーを検討すると良いでしょう。

利用者の身体機能

身体機能で確認したいポイントは「起き上がり動作」「座位保持」「立位保持」「足踏み動作」の4つ。それぞれの動作を一人で安定して行えるかで見守りセンサーの選び方が変わります。

起き上がり動作が
一人でできない場合
転倒・転落のリスクが低いため見守りセンサーは不要です。ただし、調子の良さで行動可能範囲に変化が出ることもあるので、時間を変えてよく確認した上で検討しましょう。
一人で起き上がれるものの、
座位保持が安定しない場合
座る途中や座っている最中にバランスを崩す可能性があります。この場合は、起き上がり動作を検知できるよう「ベッドセンサー」や「クリップセンサー」を選ぶと良いでしょう。
立地保持が難しい場合 起立時にバランスを崩す可能性があるため起立動作の検知が必要。起立時の転倒を防げる「タッチセンサー」や「マットセンサー」が有効です。
立位保持ができ、足踏み動作も
ふらつきが少ない場合
見守りセンサーは不要な場合が多いでしょう。歩行場面を観察し、複数人で検討してみてください。

利用者の認知機能

認知機能が低下すると、徘徊や危険行為のリスクがあるため、選ぶ見守りセンサーが変わります。自身の身体機能をうまく認識できず、無理な動作をすることで転倒・転落に繋がるリスクが高いためです。徘徊や転倒・転落を検知できる「マットセンサー」「ベッドサイドセンサー」「超音波・赤外線センサー」を選ぶのがおすすめです。

通知方法

見守りセンサーの通知方法には、「ナースコールで受信するタイプ」と「専用受信機で受信するタイプ」があります。専用受信機で受信するタイプの商品なら、ナースコール設備のない施設でも簡単に導入が可能。専用受信機には、持ち歩きに便利な携帯型、詰所などに設置する据え置き型などがあり、現場のスタッフの業務内容や体制に合わせて選ぶことができます。

ナースコールで受信するタイプを導入する場合は、普段使用しているナースコールに対応しているかを確認しましょう。

通信の方式は無線LANが主流になっていますが、無線の電波が届きにくいというトラブルも確認されています。そのため、無線LAN方式の見守りセンサーの場合は、デモ機で最大通信距離が十分にあるのかを確認してから導入を検討するのがおすすめです。

ケーブルの有無

ベッドセンサーやマットセンサータイプの多くは、ケーブル式とコードレス式を選択できます。ベッド周囲はケーブル類が多くなりがちなため、コードレス式タイプを選ぶことでベッド周囲の環境を改善することが可能。また、ケーブルに引っかかって利用者が転倒する事故を防止できるメリットもあります。

一方で、コードレス式の見守りセンサーは、ケーブル式と比較して初期費用が高くつきやすいのがデメリットです。利用者の安全や予算などを考慮しながら、ケーブル式とコードレス式のどちらの見守りセンサーを導入するのか検討する必要があります。

導入費用

同じ種類の見守りセンサーでも、メーカーによって導入費用が異なります。そのため、各メーカーの商品の価格を比較したうえで検討するのがおすすめです。比較検討する際は、見守りセンサーの種類と台数を明確にしておくと、予算に応じた商品選びがしやすくなります。

ただし、安さだけに注目して選んでしまうと、壊れやすかったり頻繁に交換する必要があったり、と余計なコストや手間がかかる可能性があるので注意しましょう。見守りセンサーを導入するにあたって補助金を受け取れる可能性があるため、各都道府県や自治体にご相談ください。

見守りセンサー・離床センサーの価格相場

見守りセンサーや離床センサーと一口にいっても、その種類やメーカーによって導入コストはさまざまです。また、ベッドセンサーのようにセンサーとベッドや寝具が一体になって販売されているものであれば、単体購入にするのかセット購入にするのかによっても賞金相場はいろいろと変わってくるでしょう。加えて、離床センサーが有線モデルかコードレス対応かといった仕様の違いでも金額は変動します。

加えて、メーカーによって複数のオプションが用意されていることもあり、価格を検討する際は必ずトータルコストをチェックするようにしてください。

本体価格が安くても壊れやすければ、結果的にメンテナンスコストや再購入のコストがかかってしまうため、保証期間なども合わせて検討することが大切です。

離床センサーの補助金

介護施設や介護事業者・福祉事業者などでは慢性的な人材不足が経営課題となっており、事業所や企業単位でなく国全体で解決や改善に向けた取り組みが進められています。

見守りセンサーや離床センサーの導入経費に対する補助金や助成金といった制度は、企業のコスト負担を国や地方自治体が補助しつつ人材獲得や業務の省力化・省人化をサポートするために実施されており、さまざまな種類が用意されている点が重要です。

たとえば「介護ロボット・ICT導入支援事業」やそれに類する事業が都道府県ごとに設けられており、介護ロボットの導入や見守りセンサーの導入にかかるコストの一部を支援してもらうことができます。

ただし、補助金や助成金は自治体ごとの予算によって運営されているケースも多く、その地域の予算や財政的余裕がなくなれば年度の途中でも募集が打ち切られてしまうため、早めの利用検討を心がけてください。

見守り機器・離床センサー導入時の注意点

見守りセンサー(離床センサー)は医療や介護の現場で患者や入居者の安心安全をサポートし、従業員の業務負担軽減に寄与する設備機器ですが、利用の方法を誤ることで余計にリスクやデメリットを増大させる危険もあります。

まず、センサーのスイッチを入れ忘れないよう業務フローをしっかりと確認して、従業員全体で意識共有しておくことが欠かせません。見守りセンサーの電源を入れ忘れれば当然ながらセンサーは感応せず、さらにスタッフはセンサーがあるからと油断しやすくなり、結果的に患者や介護者のリスクが増大してしまいます。

一方、介助作業をする際にきちんとスイッチを切っておかなければ、センサーが何度も反応して誤報を通知したり故障リスクを高めたりするでしょう。

その他、定期的な点検やメンテナンスにより、常に正常稼働していることをチェックする体制も必要です。

離床センサーの導入効果

厚生労働省は、2020年に「介護ロボット導入効果検証委員会」を設置。委員会で実施された介護ロボットの導入効果に関する調査結果をもとに、離床センサーの導入効果について紹介します。

参照元:厚生労働省【PDF】
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000788328.pdf

夜間見守りに関する効果

「直接介護」および「巡視・移動」の合計時間について

夜間見守り調査では、離床センサーを含む見守り機器の導入によって夜勤職員の直接介護および巡視・移動時間が減少するのかといった検証が行われました。

検証には見守り機器を導入済み、または未導入の施設がそれぞれ参加し、「新規導入」「追加導入」「全床導入」の3パターンで検証を実施。見守り機器を新規導入または追加した場合の調査によると、直接介護および巡視・移動に使った合計時間が事前調査では平均277分だったのに対し、事後調査では平均261分と、見守り機器の導入によって合計時間が平均16分短縮しています。

また、全床導入したケースでは、職員1人で対応できる利用者の数が平均で35.2%増加する結果となりました。これらの調査結果から、見守り結果の導入には一定の業務効率の改善効果があることが分かります。

一方で、新規導入の施設や介護ロボットの導入率が低い施設においては、時間短縮の効果がそれほど高くないことも明らかに。この結果は、見守り機器の導入で一定の効果を得るには、機器の操作などに慣れる必要性を示しています。

職員の心理的負担やモチベーション等の変化について

職員を対象に、見守り機器の導入による心理的負担やモチベーション等の変化についてのアンケート調査を実施。心理的負担については心理ストレス反応測定尺度を用いて評価を行ったところ、ストレス反応が「弱い(7点以下)」と回答した職員の割合は事前調査では34.0%、事後調査は44.1%と増加する結果に。「普通」「やや強い」と回答した職員の割合は事後調査で減少しています。

見守り機器の利用によるモチベーションの変化については、「仕事のやりがいの変化」「職場の活気の変化」の2項目でアンケート調査が行われました。その結果、どちらの項目でも「増加したと感じる」と回答した職員の割合が50%程度を占める結果となっています。

また、見守り機器の利用による職員・施設業務の変化についてのアンケート調査では、「訪室しなくても利用者の状況が分かる(即効性)」「利用者の行動パターンが把握できる(排せつ・夜間活動)」「事故原因分析の参考情報にできる」などの効果を実感している職員が多い結果に。このことから、見守り機器の導入によって、業務にあたるうえでの精神的な余裕や負担軽減を生み出していることが分かります。

ケアの質に関する変化について

ケアの質に関する変化についての主な意見としては、以下のような声があがっています。

【新規導入の施設】

・気になる利用者の様子を端末で確認できることでケアの質が向上した

・転倒の発生件数の減少でケアの質が向上したと考えられる

【追加導入の施設】

・利用者の動きを端末で確認できることで、排せつ状況に対する職員の予測性が向上した

・排せつリズムの把握によって適切なケアができるようになり、排せつの質が大きく向上した

・利用者が起きているタイミングに排せつ介助を行えるようになった

・訪室の回数を減らすことで自立度の高い利用者の生活リズムを守れ、自立支援につながった

・夜間の睡眠状況が芳しくない利用者に対し、日中の活動量の調整によって円滑な入眠のサポートを行なえた

・訪室回数の減少で職員に時間的・精神的余裕が生まれ、ケアの質の向上につながった

・端末で利用者の状況を確認できることで、職員の緊張感が減少し、余裕をもって利用者に接することができるようになった

【全床導入の施設】

・訪室の回数の減少によって、利用者の睡眠の質の確保につながった

参照元:厚生労働省【PDF】
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000788328.pdf

夜勤職員配置加算について

平成30年度に厚生労働省が夜勤職員配置加算に関する要件の見直しを行っています。これによって一定基準以上の離床センサーやセンサーマットなどの見守り機器を施設へ導入した場合、夜間職員の勤務時間短縮や管理者の負担軽減に寄与すると認められました。

また、令和3年度には介護報酬改定が行われ、離床センサーなど見守り機器に関しても要件がさらに緩和されていることに注意しましょう。

改定後の離床センサーに関する具体的な条件は以下のようになっています。

  • 入所者の動向を検知できる見守り機器を入所者数の10%以上に設置(令和3年度改定により15%以上から緩和)
  • 施設内に見守り機器を安全かつ有効に活用するための委員会を設置
  • 夜勤職員数の最低基準に加えて0.9名分の人員を配置

加えて、さらに介護老人福祉施設及び短期入所生活介護において、令和3年度の改定で以下の新設要件も認められました。

  • ユニット型の場合は夜勤職員数の最低基準に加えて0.6名分の人員を配置(条件あり)
  • 従来型の場合で人員基準緩和を適用する場合は0.8人の人員を追加配置、ただし利用者数25名以下の場合は0.6人の人員を追加配置
  • 入所者数に対して100%の導入割合
  • 夜勤職員全員がインカム等のICTを使用し、施設内で安全体制を確保している

参照元:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の概要」【PDF】
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001005036.pdf

身体拘束廃止未実施減算について

離床センサーをはじめとする見守り機器を導入する上で、誤った使用法を行っているような場合、それが利用者や入所者に対する「身体拘束」として判断されれば減算対象になることにも注意が必要です。

厚生労働省が公表している「身体拘束ゼロへの手引き」においては、そもそも離床センサーやセンサーマットといった見守り機器は身体拘束行為やそれに類する器具として明示されていません。しかし、利用者の希望を無視して離床センサーを導入。センサーが反応するたびに利用者の行動を制限したり、職員が業務を放棄する目的で離床センサーを活用したりした場合、身体拘束行為と判断されて身体拘束廃止未実施減算の対象になり得る点を理解しておきましょう。

離床センサーのスイッチ入れ忘れを防ぐ方法

前述した通り、離床センサーを導入したあとはスイッチの入れ忘れに注意が必要です。離床センサーは、介助作業をする際や家族との面会時など一時的に電源を切らなければならない場面があります。しかし、そのあとにスイッチを入れ忘れてしまうと、気づかず転倒や転落してしまうこともあるのです。

せっかく設置した離床センサーを活かすためにも、スイッチの入れ忘れが起こる原因や危険性を十分に理解して、しっかりと防ぎましょう。

離床センサーのスイッチ入れ忘れを防ぐ6つの対策

離床センサーのスイッチ入れ忘れを防ぐ対策には下記のようなものがあります。このなかから1つだけ行う…のではなく、複数の対策を組み合わせるのがおすすめです。

1.チェックの習慣をつける

ベッドから離れる前は、常に離床センサーのスイッチをチェックする習慣をつけましょう。作動しない原因は、スイッチの入れ忘れ以外にもコードの断線や電池切れ、使用方法の間違いなどが挙げられます。スイッチだけではなく、実際に離床センサーが作動するのかをチェックするようにしてください。

2.職員との情報共有

介助作業や面会などで離床センサーのスイッチを切っている時は、スイッチがオフになっていることを周囲のスタッフや職員に知らせておくことが大切です。特に、新規の患者(利用者)が来たり部屋を移動したりした際に、申し送りを忘れて共有が漏れてしまう場合があります。離床センサーの利用状況は忘れずに伝え合うようにしましょう。

3.使用中の状況がひと目で分かるようにする

離床センサーを使用している患者(利用者)の一覧表を作って、どこで使用しているかをひと目で把握できるようにするのも効果的です。申し送りノートやスタッフステーションのホワイトボードなどに記しておけば、現場にいる職員同士の情報共有にもなります。家族が面会しているかを把握するために、面会カードを作ってチェックするのも効果的です。

4.貼り紙を貼っておく

病室や離床センサーのスイッチの近くに「スイッチONを確認」「毎回動作するかチェック」などの貼り紙をしておくのも効果があります。病室の入口ドアや床頭台の側面など、必ず目に付きやすいところに貼るようにしましょう。

5.なるべくスイッチを切らない

可能な限りスイッチを切らないようにすることで、事故のリスクを回避する手もあります。

床に敷くタイプの離床センサーマットであれば、介助作業中は踏まない位置にずらしておき、介助後に位置を戻すなどでスイッチを切らずに済みます。また、一時停止ボタンのある離床センサーなら、一時停止機能を活用するのもおすすめです。

6.入れ忘れ防止機能付きのセンサーを検討する

離床センサーの中には、スイッチの入れ忘れ防止機能がついたものがあります。予算に余裕があるなら、このような機能付きの離床センサーを設置するのもおすすめです。

入れ忘れ防止機能付き離床センサーなら、スイッチをオフにしても一定時間後に自動でセンサーがオンになるため、スイッチの入れ忘れを防げます。

離床センサーの耐用年数

離床センサーは機械製品であり、どうしても経年劣化による品質の低下を防ぐことはできません。そのため使用状況やメーカーにもよりますが、離床センサーの耐用年数はおよそ1~5年とされています。購入時に耐用年数のチェックが必要です。

離床センサーを長く使うために出来ること

経年劣化による品質低下は防げないとしても、使い方を適正にすることで離床センサーの寿命を延ばすことは可能です。

ケーブルを断線させない

離床センサーから伸びる各種ケーブルに負荷を加えると、物理的に断線して製品が故障してしまうリスクが発生します。そのためケーブルを踏んだりベッドで挟んだりしないよう日頃から注意して取り扱うことが大切です。

電極部破損を防止する

離床センサーやスイッチなどに電極部が設けられてケーブルが接続されている場合、ケーブルを保護しても電極部の破損が生じてしまうと離床センサーは故障してしまいます。そのためケーブルや電極の抜き差しも乱暴に行うことは厳禁です。

コードレスタイプを選んで故障のリスクを下げる

ケーブルの断線リスクや電極部の破損リスクを下げるために、コードレスタイプの離床センサーを選択するといった方法も有効です。ただしコードレスタイプでも耐用年数は存在します。定期的な点検によって正常にするかを確認しましょう。

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既存のナースコールに連動させられる見守りセンサー特集の画像

見守りセンサーの種類は大きく分けて、マットセンサー、シートセンサー、超音波・赤外線センサー、センサーベッドの4種類。

加えて、ナースコールに連動させて使う商品と、ナースコールがなくても使える商品でタイプが異なります。

見守りセンサーを導入する際は、検討している施設の状況に合った商品を選ぶ事が重要です。

まずは検討しているセンサーを選んでいただき、センサーごとの特徴やメリット、デメリットを確認。それぞれおすすめの商品についても紹介いたします。